世界一周2回目後半 no.24 – インドネシア・バンドン、アジア・アフリカ会議博物館を訪れる【2026年3月25日】

演台に立つインドネシア初代大統領スカルノ(アジア・アフリカ会議博物館の展示) インドネシア
演台に立つインドネシア初代大統領スカルノ(アジア・アフリカ会議博物館の展示)

アジア・アフリカ会議博物館とは

せっかくのバンドン(Bandung)、バンドンならではの何かを見たいと考えwebを漁っていると、アジア・アフリカ会議博物館(Museum of The Asian-African Conference)という博物館の存在が目にとまりました。私のうろ覚えの記憶でも、第二次世界大戦後にアジアやアフリカの国々の首脳が集まって通称バンドン会議と呼ばれる会議が開かれたことは知っています。場所がバンドンだけにこの関係かと思い調べてみます。

私の記憶は間違っていませんでした。1955年4月18~24日にインドネシアのバンドンで開催された「アジア・アフリカ会議(Asian-African Conference、通称バンドン会議(Bandung Conference))」が開催されました。会議の主要会場は現在のGedung Merdeka(ムルデカ・ビル、独立記念館)でした。そして、この建物の一部がアジア・アフリカ会議博物館となったのでした。

その名が示すとおり、博物館ではバンドン会議の資料や写真、会議の歴史を展示しています。要はアジア・アフリカ会議を記念し、紹介するために、会議が開かれた同じ場所の歴史的建造物の中に博物館が造られたというわけです。

Gedung Merdekaの建物内にあるアジア・アフリカ会議博物館。

バンドン会議とは何だったのか

開催を記念し、博物館まで造って後代に伝えたいアジア・アフリカ会議、通称バンドン会議とは何だったのか。この点も復習を兼ねて調べてみました。

開催の時期は1955年、第二次世界大戦から僅か10年後のことです。かつてヨーロッパ諸国の植民地であったアジアの多くの国は、この時点で独立を果たしていました。一方、アフリカ諸国でこの時点で独立していた国はエジプト、エチオピア、リベリア、リビアなどにとどまっていました(もっとも、その後多くの国が独立していくのですが)。

アジア・アフリカから目を転じた世界は、アメリカを中心とする西側陣営と、ソ連を中心とする東側陣営に分かれた冷戦真っ最中の時代でした。こうした中で新興のアジア・アフリカ各国はバンドン会議での議論を通じて、バンドン10原則(Ten Principles of Bandung)と呼ばれるコミュニケを採択しました。

バンドン10原則を要約すれば、「大国が他国を支配・干渉するのではなく、国家の大小や人種にかかわらず互いの主権を尊重し、紛争は平和的に解決する」ということになります。二度と植民地支配を受けないという決意、未だ独立叶わないアフリカ諸国の独立の支持、いずれの大国にも与しない第三の国際的立場の希求、これらを高らかに示したのがバンドン会議であったといえます。

入館には予約が必要?

アジア・アフリカ会議博物館に行こうということ以上には何も考えず、ホテルを出てブラブラと博物館を目指して歩きました。入口に着くと、なにやら人が集まっています。どうも入場を待っているようなので、入口の係員に聞くと下の写真左側の看板を示されました。

看板を読むと、どうやらwebで予約を取る必要があるようです。ゲゲッと思いつつも看板のQRコードから該当サイトにアクセスし、必要事項を埋めていきます(下の写真の右側がスマホでアクセスしたサイトのスクリーンショットです)。予約は簡単に取れました。登録したアドレスに予約時間とQRコードが送られてきます。待ち時間は15分ほどでした。さほど待たずによかったと思うことにしましょう。入場料は無料でした。

示された看板と予約のためのスマホ画面のスクリーンショット。

思わず見つけた安倍首相

博物館内部に入ると、アジア・アフリカ会議に関連した様々な写真や物が展示されています。まず目を惹いたのは以下の写真の展示です。当時の安倍晋三首相と中国の習近平国家主席がインドネシアの当時のジョコ・ウィドド大統領を真ん中に写真に納まっています。写真の背景に写る文字からは、2015年アジア・アフリカ首脳会議(Asian-African Summit 2015)の場での一幕であったようです。

2015年アジア・アフリカ首脳会議に参加した各国首脳の集合写真です。
中心部分には、安倍首相と習主席がジョコ大統領を挟んで並んで写っています。

安倍首相出席の政治的意義

気になったので、例にって調べてみました。まず2015年アジア・アフリカ首脳会議ですが、2015年4月22~23日にジャカルタで開催されました。1955年のバンドン会議から60周年を記念したもので、同時に2005年に発足したNew Asian-African Strategic Partnership(NAASP)10周年も記念しています。全体集合写真にも写っているように、「Strengthening South-South Cooperation to Promote World Peace and Prosperity(世界の平和と繁栄を促進するための南南協力の強化)」がテーマの会議でした。

日中関係を考えると、2012年の尖閣諸島「国有化」以降日中関係は悪化し、さらに2013年12月に安倍首相が靖国神社を参拝したこともあり、日中関係は険悪いえるほどまでに状況は悪化していました。その後約2年間、日中首脳会談は行われていませんでした。久しぶりに行われたのが2014年11月、北京で開催されたAPECに合わせて行われた首脳会談でした。

2015年アジア・アフリカ首脳会議の場では、2014年のAPECの場に引き続き日中首脳会談が行われました。このことを踏まえると安倍首相の会議への出席し、習近平主席との会談を行ったことは、2014年の対話再開以降の日中関係の改善に弾みをつけるという意味で、重要な意義があったといえるでしょう。

もっとも、本記事を書いている2026年8月時点では、2025年11月の高市首相による「台湾有事が存立危機事態になり得る」旨の発言を受け、中国は強く反発して発言の撤回を要求するなど、日中関係は再び急速に悪化しています。このようなことが繰り返されるのを見ると、特に近隣諸国との二国間関係は、本当にままならないものだと感じます。

博物館内の展示

博物館内部の展示は写真やパネルが中心で、バンドン会議を軸に歴史的事実を学ぶという色彩が強く感じられました。全体会議が行われたであろう講堂も公開されており、その場に立つと開催以来の70年という時が止まっているかのような感覚を持たせられます。

展示内容は写真やパネルが中心です。派手さはありませんが、歴史の勉強には格好の場所です。
全体会議が行われたであろう講堂です。講演会形式のように、椅子が演壇に向かって一方向に並べられていました。

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