インドネシアの高速鉄道「Whoosh」
昨日の深夜(というか日付は既に今日になっていました)に到着しましたが、それなりに休めました。ゆっくりと朝食を取った後、バンドン(Bandung)に向かいます。それはジャカルタ(Jakarta)以外のインドネシアの大都市に行ってみたいという希望もありますが、最大の目的は高速鉄道に乗ることです。そう、インドネシアのジャカルタ・バンドン間には高速鉄道が走っているのです。
ここで少しインドネシアの高速鉄道「Whoosh(ウーシュ)」についておさらいをしておきましょう。日本でも報道されていることからご存じの方も多いと思いますが、インドネシアの高速鉄道計画は当初日本の新幹線方式が有力でした。途中で中国が参入し、短期間での建設やインドネシア政府の保証が不要な低金利融資といった建設スピードと低コストを前面に押し出して激しい売り込みをかけました。その結果インドネシア政府は中国案を採用したのでした。
中国案により計画はスタートしましたが、順調には進みませんでした。用地取得の遅れが大きな課題となります。土地所有者との交渉が進まず、工事の止まる区間が続出しました。また地質調査が不十分だったことから、トンネル工事で追加の補強が必要になるなど計画変更が相次ぎます。結果として工期は何度も延長され、費用も当初計画を大きく上回ることになりました。インドネシア政府と中国側の追加負担も発生しています。
各種問題はあったものの、2023年に無事開業しました。しかし、ジャカルタの中心部に直通しない路線構造は利用者の伸びを抑える要因とされ、現時点での収支は赤字とみられています。Whooshは既にバンドン中心部を迂回してテガルアール・スンマレコン駅(Tegalluar Summarecon)まで延伸済みで、周辺ではスンマレコン・バンドン(Summarecon Bandung)の大規模開発が進行中です。バンドン中心部へのアクセス改善や、ジャワ島東部(スラバヤ方面)への延伸が今後の課題とされています。
どうやって切符を買ったか
もちろん、事前に切符は買うことにします。その買い方ですが、インドネシア・中国高速鉄道(KCIC: Kereta Cepat Indonesia China)の専用webサイトから購入できるとされています。KCICはインドネシアと中国両サイドの出資により設立された合弁企業で、Whooshの建設・運営を担当しています。
Webサイトに入り、乗車区間や乗車日時といった必要事項を入力し、該当する列車を検索します。次いで予約に進もうとすると、アカウントの作成が必要となります。それがうまく行きません。アカウント作成が成功したようでも確認メールが届きません。そのアドレスで再度登録しようとすると、そのアドレスは既に登録されていると出ます。ではそのアドレスでログインしようとしても、ログインできないのです。

結構時間を費やしましたが結局それ以上進めず、疲れてトホホの状態です。インド国鉄の再来かと思うと気が重くなります。どうしたものかと各種調べると、travelokaというサイトでは安定的に購入できるとのこと、早速試してみました。サイトに入り鉄道を選びます。出発地と目的地、そして日付を入れて検索すればWhooshの列車が何本も表示されます。希望の列車を選び、指示に従って必要事項を入力し、最後はクレジットカードで決済します。

KCICのサイトでの苦労は何だったのかと思うほどに簡単に購入できました。決済後、QRコード付きのチケットがメールにて送られてきます。travelokaには会員登録という制度も当然ありますが、私は面倒なのでしませんでした。それでも切符の購入には何の問題もありません。このサイトを多用するのであれば、予約管理の観点から会員登録は有効かもしれません。
まずはジャカルタ市内の発車駅まで行こう
Whooshのジャカルタでの始発駅はハリム駅(Halim)です。ハリム駅はジャカルタの中心部ではなく、外れというほどではないにせよジャカルタの東部に位置しています。私の泊まったホテルからはチカラン線(Cikarang Line、ジャカルタへの通勤列車的な位置付け)を使って一本で行くことができます(というか、一本で行けそうだったのでこの宿を予約したというのが正確です)。
そう思って泊まったものの、当日の出発間際にweb記事を漁っていると、在来鉄道(チカラン線のことでしょう)の駅からはそこそこ歩く必要があるみたいなことが書いてあります。暑い中歩くのもしんどいなと思い、とりあえずGrab(Uberのような配車サービス、東南アジアで普及しています)で行くことにしました。Grabであれば問題なく駅に着くことができます。
実際問題なくハリム駅に着きました。車で乗り付けた場所が下の写真です。実際に着いてWhooshの駅に繋がる別の建物(写真右側の建物)があります。さらにその建物の横を列車が走っているではありませんか(下の写真ではその様子は微妙に切れて見えませんが)。これは失敗したかなと思いつつも、帰りはこの在来線を使ってジャカルタの中心街まで戻ってみようと思ったのでした。

駅構内に入る
駅は新しいだけあって綺麗です。また、とても大きく立派です。インドネシアの鉄道の駅が常にそうであるように、構内に入るためにはセキュリティチェックを通る必要があります。そこでは手荷物検査をするのですが、一般的な駅でのこうした検査は結構いい加減です。ですがハリム駅では真面目に検査をしていました。やっぱり高速鉄道だからでしょうか。

セキュリティチェックを無事に通り、大きな待合室に入ります。そこで落ちつきながらも、列車の発車情報を示す電光表示をチェックします。下の写真がその電光表示ですが、上から二番目に示されている列車番号G1027、12時25分発の列車が私の乗車予定です。待合室から改札を経てホームに向かうのですが、改札の時間は列車ごとに決まっています。おおよそ発車の20分前アナウンスがあり、改札が始まります。

私の乗る列車の改札案内が流れました。人々の列に従い改札口に向かいます。さあ、いよいよ乗車です。
乗車しました
Whooshの座先クラスはファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの三つです。座席配置はそれぞれ2+1、2+2、3+2です。私は奮発してビジネスクラスに乗ります(ファーストクラスでないところが微妙にセコいですね)。乗車口には綺麗なお姉さんが立っています。

ビジネスクラスの車両の内部の様子が下の写真です。2+2の座席配置で、日本の新幹線のグリーン車を彷彿とさせます。シート材質は人工皮革のような気がします。広さ、座り心地は申し分なく、足置き台も付いています。この点も新幹線のグリーン車と同様ですね。

列車が走り出して暫くすると、乗車の際にドアの横に立っていた乗務員(綺麗なお姉さんのことです)から水の入ったボトルと菓子パン(チョコレートパンでした)が配られました。Whooshマーク入の袋に入れてです。

動きだしました
定刻となり、列車は動きだします。とてもスムーズ、音も静かです。徐々にスピードを上げていきますが、揺れや振動は少ないです。快適な乗り心地です。日本の新幹線に勝るとも劣らない、これが正直な感想です(初めて乗っての、乗り心地に限った感想です。安全性や経済性、運行の正確性などは私の判断するところではありません)。
車両内の電光表示に走行スピードが表示されます。頻繁に表示スピードが変わるのですが、確認できた最高速度は時速331kmでした。その表示が以下の写真です(この瞬間の写真を撮るためにスマホをずっと構えていました)。体感でも相当のスピードが出ていることがわかります。

車窓には熱帯植生の森林や畑を見ることができます。下の写真のような景色が続き、ジャカルタとバンドンを除くと沿線人口密度はそれほど高くはないと感じました。開業区間はジャカルタの東側のハリム駅からバンドンの西側のテガルアール・スンマレコン駅までの約140km、この間を最短約40分で結びます。

バンドン中心部へのアプローチ
現在の開業区間はジャカルタの東側のハリム駅からからバンドンの西側のテガルアール・スンマレコン駅までです。バンドン市街に行くには終点のテガルアール・スンマレコン駅ではなく、一駅手前のパダララン駅(Padalarang)で降ります。そこからは別途切符を買って在来線に乗り換えて行くつもりだったのですが、なんと専用列車が準備されていました。それも無料です。Whooshを降りて人々の流れについていくと自然に専用列車のホームに着きました。


専用列車だけにバンドン中心部のバンドン駅(Bandung Station)到着までに停車駅は一つ、チマヒ駅(Cimahi)だけです。所要時間も約20分、かなり速い速度で運行しています。
バンドン到着
専用列車は問題なくバンドン駅に到着しました。バンドン駅は古くから営業している鉄道駅です。Whooshの駅とは異なり、普通の大きな駅といった趣です。

無料の専用列車だけにホームに降りて駅の一般構内に出る際には関所っぽい箇所がありました。Whooshの乗客以外は専用列車に乗れないようにするためだと思われます。そこで以下の写真の掲示を見つけました。Whooshに接続する専用列車(掲示文では「Feede Train」と記載しています)の時刻表です。この時初めて、パダララン・バンドン間接続のための専用列車が制度的に運行されていることを理解しました。


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