世界一周2回目後半 no.32 – バンコックから鉄路でラオスへ、ビエンチャンを経由してルアンパバーンへ その3:ラオス入国、ビエンチャン中心街を経て高速鉄道発車駅へ【2026年4月2-3日】

ラオスの首都ビエンチャンの中心繁華街 ラオス
ラオスの首都ビエンチャンの中心繁華街

ラオス入国にはQRコードが必要

ラオスの入国に際してはLDIF(Lao Digital Immigration Form)への記入、提出が必要になります。lDIFとは2025年9月に導入されたデジタル入国カードで、The Department of Immigration of Lao PDR(ラオス人民民主共和国入国管理局)のホームページから記入ページにアクセスし、入国前72時間以内にオンラインで提出します。提出後に QRコード(Immigration Verification Code)が発行されるので、このQRコードをスマホに保存し、入国審査で提示することになります。

The Department of Immigration of Lao PDRのホームページのトップ画面です。このページの左真ん中に記入ページへのアクセスボタンが見えます。
The Department of Immigration of Lao PDR Home Page

私も当然この手続きを行いました。バンコックからの夜行列車の中でです(種々の調べ事をしていて、列車内で提出の必要性に気が付きました)。スマホ経由で提出したのですが、苦労したという記憶がありません。その後、Immigration Verification Codeを問題なく入手できました。

入国手続き

ビエンチャン(Vientiane)市内のカムサワート駅(Khamsavath)が私の乗った国際列車133の終点です。乗客は皆ここで降り、ラオス入国の手続きをします。ホームから駅舎の出口ぬ向かう広いホールに入国審査用のブースが幾つか並んでいます。それらのブースの前に並び、自分の順番を待ちます。

入国に際してはTHB20(約100円)の支払いが求められました。実は同じ列車の同じ寝台ブースに乗っていたタイ人のユーチューバーの方が、私がこのTHB20を持っていないと思い、別の列に並んでいたのにわざわざ列を跨いでTHB20を私に渡しに来てくれました。一瞬断ろうと思ったのですが、丁寧にお礼を述べてありがたく受取ました(親切、ありがとうございました)。その方は手を振って自分のもといた列に戻っていきました。

カムサワート駅でのラオス入国審査の列です。もちろん撮影は禁止、この写真はラオス政府機関のホームページに掲載されていたものです。実際の様子はまさにこの写真のとおりでした。
LAO NEWS AGENCY Home Page

カムサワート駅は広く、新しい駅でした。タイ国鉄(SRT:State Railway of Thailand)が運行する国際列車133がラオス側に乗り入れるために、2023年に新設されました。Webで見つけたカムサワート駅の全景写真を下に載せました。大きく立派なん駅であることが分かります。

ムサワート駅の全景写真。立派なのですが、他の交通機関との接続に難ありです。
The Department of Immigration of Lao PDR Home Page

カムサワート駅からビエンチャン中心部へ

ラオス入国を果たしました。ただ今いるカムサワート駅の周りには何もありません。まずはビエンチャン中心部へ行きたいのですが、どうしたものか。事前に調べた結果では、国際列車の到着に合わせて乗り合いのシャトルバスが出ているとのこと、料金はLAK30,000~40,000(約200~300円、LAKはラオスの通貨でキープと呼称します)です。タクシーやトゥクトゥクも待機しているのですが、料金交渉が面倒です。

いずれの手段でも現地通貨キープのキャッシュが必須となります。タイバーツの利用も可能ですが割高でボラれる可能性が大とのことです。バンコック(Bangkok)でキープを調達したかったのですが、メジャーな両替店であるSuperRich(スーパリッチ)でも手持ちがなく、予約すれば翌日以降に両替できるといわれました。当日の夜行列車の乗るのですから間に合いません。事前に調べた限りではカムサワート駅にATMがあるとのこと、そこでキープを引き出せばいいかと考えました。

なのですが、カムサワート駅でATMを見つけることができませんでした(丁寧に探せばあったのかもしれませんが、それは分かりません)。 仕方がないのでタイバーツでタクシー的なミニバスに交渉を持ちかけます。ボラれているような気がしますが、結局THB200(950円程度)で乗ることにしました。相場より高い気がします(というか相場がわからないのです、これは結構なフラストですね)。

ちなみに、緑色のミニバスが何台か駅前に停車しており、満員になり次第発車していきます。このミニバスを待っている乗客に料金を聞くとLAK35,000(約250円)とのこと、キープ現金がないので仕方がありません。まあ中心部の指定の場所に行ってくれたので、タクシーに乗ったと思えば諦めもつきます。そう思うことにしました。

現地通貨の引出し

ビエンチャンの中心部に着くと、やることはまずATMからのキープの引き出しです。WISEの米ドル口座を使います。ATM使用料が高いと困るので、どこの銀行のATMがいいのか事前に調べました。その結果、最右翼にくるのがラオス外商銀行(BCEL:Banque pour le Commerce Extérieur Lao)です。ラオス最大の国営商業銀行です。

AIはBCELを「ラオスで ATM を使う旅行者にとって 最も安定・最安の銀行として知られています。手数料も 20,000〜30,000 LAK と最安クラスのため、Wise や海外カードで現金を引き出すなら BCEL が最も安定しています」と評しました。ここまで褒められているのであればBCEL一択でいいでしょう。BCELのATMを探して、そこでキープ現金を引き出すことにします。

BCELのホームページ。普通に立派です。
ラオス外商銀行ホームページ

実際に引き出した際の取引の明細を示すWISEのスマホアプリ画面のスクリーンショットが以下です。左の画面がラオスのBCELでの取引結果です。正直、仰天しました。LAK500,000の引出しに対して第三者手数料、これはATMを設置している銀行の手数料ですが、これがLAK75,000です。引き出し額の15%の手数料、これは高い。参照のため、右にインドネシアの銀行BNIのATMでルピアを引き出した際の明細を右に載せました。手数料はかかっていません。

ラオス(左側)とインドネシア(右側)の銀行ATMからの現地通貨引き出し明細のスクリーンショットです。為替レートはどちらもWISEによるもので、その時点の標準レートと大差ありません。

要は、ラオスでは手数料が安いといわれ得る銀行であっても、実は異様に(私の感覚では、です)手数料が高いのです。背景には、ラオスとインドネシアの銀行の置かれるビジネス環境の違いもあるのだと思います。それでもラオスでは、現地数かであるキープをある程度は持たざるを得ないという現実があります。これも海外を旅する故の醍醐味と納得するしかありません。

市街を歩く

せっかくミニバスでビエンチャンの中心街まで運んでもらったので、その辺をブラブラと歩いてみることにしました。歩いたのは本当に中心街、メコン川に近い一角です。印象ですが、インドのムンバイ( Mumbai)ほどではないにせよ、歩行者にとっては歩きずらい場所だったということです。歩道は時々出てきますが、突然消えてなくなります。場所柄もあるのでしょうが、埃っぽく感じます。少なくとも、歩いて快適だったとはいい難いです。

左側はメコン川に隣接するチャオ・アヌウォン公園です。なぜか埃っぽく、歩いていて疲れました。

下の写真で正面に写っているのはタート・ダム(That Dam、黒塔)と呼ばれる仏塔です。仏塔は、もともと仏陀や高僧の遺骨や遺物を納め、礼拝するための建造物です。寺院の中に建てられることが多いのですが、街の中心部や交差点、広場などに独立して建っている場合も見られます。写真のタート・ダムは建立年代がはっきりしていませんが、街中に見られる仏塔の典型で、ビエンチャン中心部のロータリー内にあります(都市の発展によって結果的に街中に取り込まれたと考えることもできます)。

ビエンチャン中心部のロータリー内に立つタート・ダム。写真上部には大量の電線や通信ケーブルが束になっている様子が写り込んでいます。途上国で比較的よく見られる光景ですね。

昼食は現地色の濃い店で

お腹が空いてきたので、昼食を取ることにします。ビエンチャン中心部の繁華街をブラついていただけに、レストランはあちこちにあります。なるべく地元っぽい店ということで、華やかな装飾の洒落た店は避け、大衆食堂的な店に入りました(とはいっても観光客目当てのそこそこの店という気もしますが)。

昼食のため入った店です。Khamphone restaurantという名前でした。

頼んだのは海老入りチャーハンとマンゴージュースです。価格はチャーハンがLAK55K(キープ表示は桁が多くなるので、どこの店も1,000を表すKを使います。55Kは55,000のことです)、マンゴージュースはLAK30Kでした。ジュースはミキサー搾りたてです。どちらも美味しくいただけました。

海老入りチャーハンとマンゴージュース。美味しかったです。この店が地元使いの店なのかは微妙なのかもしれません。

高速鉄道の駅に向かうにはまだ時間的余裕があったので、洒落たカフェでお茶を飲むことにしました。お茶といっても頼んだのはベリーヨーグルト、LAK50Kでした。店構えが洒落ていると値段も高いですね。スマホの充電ができたのはグッドでした。店内で休んでいるとお腹の調子に不安が…。トイレには行きましたがでません(汚い話で恐縮です)。駅に行く時間も迫ってきたので、気にしつつも店を出ました。

ベリーヨーグルトを食べたMaysa Cafeという名の洒落た店です。
from Google Maps

独自の配車アプリ

お腹の調子に不安を抱えつつもラオス中国鉄道の始発駅であるビエンチャン駅(Vientiane Railway Station)に向かいます。移動手段ですが、ラオスでは東南アジアの移動の定番Grabが使えません。その代わりというわけではないのでしょうが、ラオス独自の配車アプリLOCA(ロカ)が一般に普及しています。スマホにLOCAのアプリをインストールし、そこにクレジットカードを登録して使います。

このLOCAで配車を依頼し、カフェで待ちます。5分ほどでカフェの前に車が着きました。その車に乗車し、約30分でビエンチャン駅に着きました。全く問題ありません。使用感はGrabやUberと殆ど同じでした。料金はクレジットカード払いですが、LAK205K、日本円で1,400円でした。この料金を前提にすればカムサワート駅からビエンチャン中心部までのミニバス料金THB200(約950円)は高くなかった気がします(若しくは、LOCAの料金が高いのかも)。

LOCAのスマホアプリの画面のスクリーンショット。左はGoogle Playでの宣伝画面、中は私のスマホのLOCAアプリの実際のメニュー画面、右は利用した結果の履歴画面です。

何故ラオスでは独自アプリ?

何故ラオスでは独自アプリなのか、どうにも気になります。政府が外国資本の大手であるGrabの参入を規制しているのか、そんな風にも思えます。そこで調べてみました。とはいっても、正確なところは分からないのですが。ただ、単に規制しているといった簡単は話ではないような気がしました。

まず規制についてです。あるかないかでいえば、あります。当然ですが、伝統的なトゥクトゥクや既存のタクシー事業者はラオスにも存在しています。彼らは政治的な影響力を相応に有し、また外資系のライドシェア参入に対する警戒感も持っていたはずです。そうした中で、ラオス公共事業運輸省(MPWT:Ministry of Public Works and Transport)は オンラインタクシー事業の認可制度を導入し、認可された事業者だけが配車アプリを運営できるよう規制しています。

認可事業者はLOCA以外にも複数存在し、LOCAだけが独占的に事業を実施しているわけではありません。ただGrabは認可事業者ではなく、従ってラオスでの配車サービスは実施できません。何故Grabは参入せず、地元資本であるLOCAが市場で優位な地位を占めるに至っているのか。前者に関してですが、Grabのような企業が参入するには複雑な法規制のクリアと地元業界との厳しい交渉が必要となり、そこまでの手間をかけるにはラオスの国内市場が小さすぎたからだろ考えられます。

後者に関してですが、完全に私の推測ですが、ラオス初の国産配車アプリであるLOCAをラオス政府が選択し、育成したからではないかと思っています。MPWTの規制では、オンライン・タクシーのサービス料金は運輸当局の承認を受ける必要があるとされています(LOCAを利用して高く感じたのはこのせい?)。地元事業者であるLOCAはこうした規制を尊重するとともに、既存のタクシー業界と摩擦を起こさずに事業を進めることに注力していると思うのです。

以上の記述は、論文ではないので、全ての論点に関しオリジナルドキュメントに当たったわけではありません(論文ではないのでその点はご容赦を)。かなりの部分が私の推測となりますが、これまでの職業経験に照らし、そんなところではないかと理解しています。同時に、個人による配車サービスへの参入が認められない日本の現状を考えるとき、ラオスの現状は参考となる事例になるのではと感じました。

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