チェンライ周辺の観光1日ツアー
今日(2025年12月7日)はチェンライ(Chaing Rai)周辺の観光スポットをまとめて訪れる1日ツアーに参加しました。ツアー購入のwebプラットフォームは例によってViator(ビアター)です。ツアー購入に際して私が拘った点は、チェンライ発のツアーであること(チェンマイ(Chiang Mai)発のツアーが結構リストされていたので)、ゴールデントライアングル(Golden Triangle、タイ・ラオス・ミャンマーの三ヶ国に跨る国境地帯のことです)が目的地に入っているこのの二点です。
この条件で結構盛沢山な内容のツアーを選びました。もちろん英語のツアーで、訪問地は以下でした。とても濃い内容のツアーであり、**回にわたる投稿記事で概要や印象をお話させていただきます。
- ワット・ロンクン(Wat Rong Khun、通称:ホワイト・テンプル)
- ワット・ロンスアテン(Wat Rong Suea Ten、通称:ブルー・テンプル)
- バーンダム博物館(Baan Dam Museum、通称:ブラック・ハウス)
- 首長族の村(Longneck Karen Village)
- チュイフォン茶園(Choui Fong Tea Plantation)
- ゴールデン・トライアングル(Golden Triangle)
- アヘン博物館(House of Opium Museum)
なんとも幻想的なホワイト・テンプル
ワット・ロンクン(Wat Rong Khun)、通称ホワイト・テンプルはチェンライの代表的な観光名所なのですが(とはいっても私はツアーに参加するまでその存在を知りませんでした)、歴史のある古刹というわけではありません。チェンライには古い歴史を持つ寺院も多いですが、ワット・ロンクンはそれとは全く異なり、1997年に建設が始まった現代の寺院なのです。
タイの著名な芸術家チャルムチャイ・コーシットピパット(Chalermchai Kositpipat)が設計し、1997年から建設が始まりました。建物全体が白く輝き、その意匠も独特の幻想的な雰囲気を醸しています。もちろん寺院ではありますが、
白く輝く寺院は青空の下ではもちろん、写真のような灰色の空の下で霧に包まれた姿も、独特の幻想的な雰囲気を醸し出しています。歴史のある従来型の寺院とは異なり、設計者の現代的な感性を体現した新しい寺院の形なのかもしれません。


この寺院の宗教性に関し背景知識のない私が多くを語ることはできません。ただ、この寺院の前に立つと、夢幻の中にあってある種の神聖、厳粛な気持ちを抱かせてくれたことは事実です。面白い試みだと思いました。本堂(?)を巡る堀の中にいる白い魚はアルビノのナマズのようにも思え、これが寺院の世界観に似合い過ぎているように感じました。

ガネーシャ祠
ホワイト・テンプルの敷地内に趣の全く異なる建物があります。ヒンドゥー教の神であるガネーシャ(Ganesha)を祀る金色に輝く祠、ガネーシャ祠です。何故仏教寺院にヒンドゥー教の神を祀る祠があるのか。歴史的な経緯をいえば、タイでは仏教と古くからのバラモン・ヒンドゥー的な信仰が重なり合ってきました。このため、寺院や仏教文化の中にヒンドゥー系の神々が登場すること自体は、必ずしも珍しいことではないのです。

もっとも、ワット・ロンクン(ホワイト・テンプル)の中にガネーシャ祠が存在する現実的な理由は、寺院の設計者であるチャルムチャイ・コーシットピパットの創る世界にそれが必要だったからだと思います。要は彼の世界観がその存在を求めたからです。
境内には黄金の建物がもう一つ存在します。トイレです。外観だけでなく、内部の壁や天井まで金色の装飾で飾られています。これも設計者チャルムチャイ・コーシットピパットによる意図的な作品といわれています。もっともらしい解説をすれば、白い本堂が精神や心を象徴するのに対し、金色の建物は肉体や物質的な欲望を表しており、その二元性を表現したということです。

小難しい説明を連ねるよりは、彼のユーモアと理解すべきなのかもしれません。本投稿記事のトップ写真に写るお猿さんも、なんともユーモアに溢れていますよね。ただ、設計者チャルムチャイ・コーシットピパットの意図がこの猿にまで反映されているかは不明です。
ブルー・テンプル
ホワイト・テンプルに次いで訪れたのがワット・ロンスアテン(Wat Rong Suea Ten)、通称ブルー・テンプルです。この寺院もコンセプトはホワイト・テンプルと全く同じです。2005年に建設が始まり、2016年に本堂が完成した新しい寺院です。地元出身の芸術家プッター・ガープケーオ(Phuttha Kabkaew)が設計し建築したのですが、その彼はホワイト・テンプルの設計者チャルムチャイ・コーシットピパットに師事していました。


仏教国タイだからこそ?
記事に記したようなホワイト・テンプルとブルー・テンプルの成り立ちの詳細は、両寺院の訪問後に調べたことです。しかし訪問していたその時点でも、両寺院の建物や像にはそれほどの歴史が感じられず、また使われている素材もコンクリートや樹脂といった現代素材であったことから、ツアーのガイドに色々と質問をしていました。そのため、両寺院が決して古刹ではなく新しく建てられたことは、オンサイトでも認識するに至っていました。
そうした知識を前提に、ホワイト・テンプルとブルー・テンプルの在り様を、何かビジネスのように感じました。現代の建築技術で見栄えの良い、観光客受けするような建物や像を造り、大勢の参拝者を集める。そんなビジネスです。実際、ホワイト・テンプルが醸し出す夢幻の中にいるかのような雰囲気やブルー・テンプルの正門付近に置かれているナーガ(龍蛇神)の像の造形は、観光客を惹きつける有力な資源です。


そう感じる反面、そんな面倒臭いことを考えず、これも現代に即した仏教寺院参拝の新たな形と素直に納得し感じる私もいるのです。事実として、ホワイト・テンプルの本堂の前に立ち神聖、厳粛な気持ちを抱きました。ブルー・テンプルのナーガの像の持つ表情からは、龍蛇神の役割を考えさせられたりもしました。
日本の名刹は皆古く、それがあり続けた時間の重さを感じさせ、その重さが尊さに繋がっている。そんな風に感じてしまうのですが、そう感じることも刷り込みの結果なのかもしれない。タイの二つの寺院を訪問した後、そんなことを考えました。タイの日常は、日本が遥かに及ばないほどに仏教が日常に根付いています。そんなタイだからこそ、現代の感性を映す新しい寺院の形が生まれ、受け入れられていくのかもしれません。


コメント