MRTブルーラインのサナームチャイ駅から王宮へ
昨日はバンコック近郊観光スポット巡りのツアーへの参加でしたが、今日はバンコックの王宮に行くことにします。ツアーへの参加ではなく、個人でチケットを買っての見学です。王宮の最寄り駅はMRTブルーラインのサナームチャイ駅(Sanam Chai)です。ホテル最寄りのスクンビット駅(Sukhumvit)からブルーラインに乗ります。

サナームチャイ駅の地上階に上がると何やら豪華な内装です。タイの著名な建築家ピンヨー・スワンキリ氏が設計し、ラタナコーシン朝初期の王宮建築・謁見の間をイメージした内装になっています。赤い天井、金色をあしらった柱、タイ伝統文様など、周辺の王宮・寺院建築との調和を意識したものです。もちろん、王宮の存在を意識した装飾だと思います。

駅を出てから歩いて15分、自然に王宮見学の入口に着きます。そこにある券売機で入場券を買って入場します。もちろんクレジットカード決済です。
王宮を彩る「ラーマキエン」の壁画
王宮に入って間もなく目に入ったのが、ワット・プラ・ケオ(エメラルド寺院)を囲む回廊の壁に描かれた壁画です。「ラーマキエン」の壁画と呼ばれています。壁画の題材は、インドの叙事詩「ラーマーヤナ」をもとにしたタイの古典文学「ラーマキエン」。王子ラーマを主人公に、王妃シーダーをさらった魔王トッサカンとの戦いが展開され、神々や猿の軍勢などが色鮮やかに描かれています。
なかなか壮大な内容で、ラーマキエンの物語を場面ごとに描いた、いわば巨大な絵巻物です。登場人物の姿や衣装、戦闘場面などが細かな筆致で描かれ、金色をふんだんに使った華やかな色彩も印象的です。描かれた絵はそれぞれが見事なものなのですが、歴史に詳しくない私には、絵を順番に見てもその絵が何を示しているのか、さらには物語がどう進んでいるのかは理解できませんでした。

後刻おおよそのストーリーを調べてみると、魔王トッサカンが王子ラーマの妃シーダーを攫ってしまいます。ラーマは仲間を集めて追跡し、猿王ハヌマーンらの助けを得てトッサカンと戦います。激しい戦いの末にラーマがトッサカンを倒してシーダーを救出します。ただこれでめでたしとはなりません。囚われの身で合ったしーだーは貞節を疑われ、身の潔白を証明するため火の中に身を投じるという試練を受けるのです。
このストーリーを頭に入れて絵を思い返せば、確かにそれっぽい場面があったことが思い起こされます。主人公の女性が火に入る場面もあったような気がします。そこまでして身の潔白を証明しなければならないとは、なんとも
世知辛いものです。

王宮に残る中国からの石造像
ワット・プラ・ケオの境内を歩いていると、タイの寺院には少し不似合いにも思える中国風の石造像が目に入ります。髭をたくわえ、帽子をかぶった人物像からは、中国の武人を思わせます。詳細不明なれど、その姿はタイの仏教彫刻とはかなり趣が異なります。

こうした石造像がタイの寺院に置かれるようになった背景には、中国との交易があります。19世紀、特にラーマ3世の時代には中国との交易が盛んになり、中国船がタイとの間を往来しました。これらの石造像の一部は、中国から来るジャンク船の船底に積むバラスト(船の安定を保つための重し)として運ばれ、タイに到着した後に船から降ろされたものと考えられています。
由来が明らかではないものの、ひときわ気になる像もありました。下の二体の人物像です。頭頂部の髪を結い上げた姿は、まるで日本の「ちょんまげ」を思わせます。着物のような衣装をまとっていることもあって、私には日本人の姿を表したもののように見えました。

ワット・プラ・ケオの黄金世界
王宮見学の中心となるのが、王宮敷地内に建つワット・プラ・ケオ(エメラルド寺院)です。1782年、ラーマ1世がバンコクに都を移した際、王室の守護寺院として建立されました。寺院の名を一躍有名にしているのが本堂に安置されたエメラルド仏ですが、堂内にはそれだけでなく、1848年にラーマ3世が鋳造させた高さ約3mの黄金の仏像も安置されています。

本堂の外壁には、ラーマキエンに登場する猿やヤック(夜叉)などの像が、金色に輝く華やかな装飾の中に数多く配されています。先ほど見た回廊の壁画にも、ラーマとともに戦う猿の軍勢や、敵方のヤックたちが描かれていました。こうした立体像と壁画を合わせて見ると、ワット・プラ・ケオ全体がラーマキエンの世界をさまざまな形で表現していることが分かります。

本投稿記事のトップ写真は、ワット・プラ・ケオの境内に建つプラ・モンドップ(経典を収める書庫)と、黄金に輝くプラ・シー・ラッタナ・チェーディーです。黄金色に輝くチェーディーに加え、プラ・モンドップの外壁は緑や青、金色のモザイクでびっしりと装飾され、柱や屋根にも細かな装飾が施されています。青空を背景にすると、タイ王室を象徴する寺院にふさわしい華やかさと壮麗さが際立ちます。
王宮を出てワット・ポーへ
王宮の見学を終え、続いて訪れたのがワット・ポー(Wat Pho)です。正式名称はワット・プラ・チェートゥポン・ウィモン・マンカラーラームで、バンコク旧市街を代表する寺院の一つです。ここで何より目を引くのが、本堂に安置された巨大な涅槃仏です。
金色に輝く涅槃仏は、全長約46メートル、高さ約15メートル。巨大な仏像を横から眺めると、その大きさを実感します。仏陀が右脇を下にして横たわる姿は、入滅、すなわちこの世を去る直前の姿を表したものです。狭い堂内に巨大な仏像が収められているため、全体を一枚の写真に収めるのも容易ではありません。

特に印象に残ったのが、足の裏です。足裏には螺鈿細工によって、仏教の宇宙観を表す108の吉祥文様が描かれています。写真では、その一つ一つの図柄まで確認できるほど精緻な装飾が施されています。巨大な仏像そのものだけでなく、こうした細部の美しさにも目を奪われます。

王宮見学を終えて
王宮の見学を終え外に向かって歩いていると、バンコク王宮の王宮衛兵(Royal Guards)の行進に出会いました。白い上衣に青いズボン。カッコいい制服でハンサム度合は5割増しです。

王宮の敷地を出てから西に向かうとチャオプラヤー川(Chao Phraya River)にぶつかります。チャオプラヤー川ではフェリーが運航されており、有力な交通機関としての役割を担っています。せっかくなので帰路にフェリーを利用します。ター・ティヤン(Tha Tien)からサトーン(Sathorn)船着場までフェリーを利用、そこからサパーン・タクシン駅(Saphan Taksin)まで歩きBTSシーロム線(Silom Line)経由でホテルに帰りました。



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