第1回世界一周後半 no.7 – ブルー・マウンテンのPrince Henry Cliff Walkを行く 【2025年11月14日】

ブルー・マウンテン国立公園、Three Sistersを望む

ブルー・マウンテンとは

オーストラリアのニュー・サウスウェールズ(NSW)州に位置する極めて特徴的な地形をもった山域で、ブルー・マウンテン国立公園(Blue Mountains National Park)として国立公園に指定されています。ギアナ高地を思わせるような台地と崖、そこから流れ落ちる標高差のある滝、台地の上と崖の下に縦横に走るトレッキングコース、訪れるにはとても魅力的な地域です。2000年に周辺の7つの国立公園などとともに”Greater Blue Mountains Area”としてUNESCO世界自然遺産に登録されました。

ブルー・マウンテンの価値は絶景だけではありません。最大の特徴は、オーストラリア固有の植物であるユーカリの多様性です。この地域には約100種類ものユーカリが自生し、世界のユーカリ種の重要な保存地となっています。要はユーカリの多様性に加え、以下の要素が一体となり、世界的にも貴重な生態系を形成しています。
・約1億年以上かけて形成された砂岩の峡谷
・深さ数百メートルにも及ぶ渓谷
・温帯雨林
・滝
・ヒース(低木地帯)
・希少な動植物

ブルー・マウンテンの山域の真ん中を鉄道が走り、車がなくても公園内の様々なコースにアクセスが可能です(もちろん、車があればさらに便利なことはいうまでもありませんが)。この点、私にとってはとてもありがたかったです。鉄道沿線の各駅近くには普通の住宅が建ち並び、そうした街々を結ぶバスも充実しています。時間に余裕がありさえすれば移動やコースアクセスに不便を感じることがないことも、ここを訪れるハイカーにとっては大きな魅力だと感じます。

ブルー・マウンテン国立公園の公式サイトを以下に貼っておきます。英語のサイトですが詳しい概要がわかる説明やコースの紹介、さらにはインタラクティブな地図も掲載されています。大変に役立つ情報満載ですので、行くことを検討されるのであれば是非参考にしてください。

Prince Henry Cliff Walkに向かう

今日(2025年6月14日)からブルー・マウンテンの自然を満喫すべくトレッキングにでかけます。その初日、Prince Henry Cliff Walkを選ぶことにします。カトゥーンバから歩いていける代表的なコースです。ブルー・マウンテンでは街のすぐ近くから多くのトレッキングコースが整備されており、車のない私にとってアクセスはとても楽です。以下にカトゥーンバ周辺のトレッキングコースの地図を載せておきます。

Escarpment area, Katoomba area 地図(PDF 3MB)
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宿から歩いて約15分、ごく普通の住宅街を通ってコースの入口に着きます。住宅街の路の脇に下の写真の標識があり、ごく自然にコースに入ることができました。

本当に住宅街の中に標識があります。街が自然にとても近いんですよね。

Prince Henry Cliff Walkを歩く

カトゥーンバの駅があるBlue Mountains Lineは台地の上を走っています。この台地の南北にそれぞれ峡谷が広がっています。Prince Henry Cliff Walkはカトゥーンバ周辺の台地の縁を巡るコースです。上に示した地図では、カトゥーンバ駅の南側の台地にグレーで示された市街が広がり、そのグレーと峡谷のグリーンの境界やや南側のグリーンの外縁がコースです。私は地図上でカトゥーンバ駅の南東、グリーンの部分が駅に最も近づく場所からコースに入りました。

市街地の道路から標識に従ってトレッキングコースに入ると、分かり易く整備されたコース用の標識がでてきます。

径は歩きやすく整備されています。台地が峡谷に切れ落ちる崖のぎりぎり上の部分に径は拓かれています。ですから多少のアップダウンはありますが、基本は平坦です。所々にビュー・ポイントやベンチも整備されており、なかなか快適です。

歩きやすい径と整備されたベンチ。自然の中で気分はそこはかとなく高揚していきます。

広がる絶景

暫く歩くと視界が開けます。そこに広がるのは紛れもない絶景、息を呑む美しさです。台地上の山(高知?)と緑の峡谷が織りなす景色が果てしなく続きます。

日本ではお目にかかれないような雄大な景色です。私はギアナ高地を思い出しました(いつか行ってみたい)。

何故このような地形が形成されたのだろうか。不思議に思います。当然調べてみました。ブルー・マウンテンズは砂岩で構成されています。この砂岩の平坦な地は約2億5千万~2億年前、現在のオーストラリア東部が浅い海や大きな河川デルタだった時代にできました。約5,000万~8,000万年前になると、オーストラリア東部全体がゆっくり持ち上がります。結果、巨大な一枚岩の台地が持ち上がって形成されました。

ここに降った雨がその後の何千万年もかけて峡谷を刻みます。そうしてできた崖が垂直に近いこの地に特有の地形を形成したのは砂岩の存在故です。砂岩が水平方向に何層も積み重なり、非常に硬く、割れ目(節理)が多いという特徴を持つためです。侵食が進むと、その割れ目に沿って大きな岩塊が崩れ落ちることから、垂直に近い断崖が形成されました。

ウエノ斜視のの岩塔の下に続く階段を降りてみました。整備された階段で不安はありません。ただ、ちょいと疲れるだけです。垂直以上の角度で切り立つ崖が目の前に迫ります。確かに幾層にも積み重なって形成されたであろうことが、この岩肌から良く理解できます。

岩塔の基部に降りれる階段。確固とした造りで不安はありません。
大迫力で眼前に聳える岩塔です。壁全体がオーバーハングしており、いつかは崩れるのかもしれません。

この岩頭の基部からさらに下に向かう階段がありました。峡谷の下へと続く径です。降りてみたいと思ったものの、閉鎖中でした。鎖を跨いで進もうかとの思いが一瞬よぎりましたが、思いとどまります。我ながら大人になったものです(海外の地、何かあったら大変だとの思いが踏み止まらせたともいえます)。降りてきた階段を登り返し、Prince Henry Cliff Walkに戻りました。

侵入禁止の鎖。”PENATIES APPLY”の文字も抑止力ですね。

Katoomba Falls

Prince Henry Cliff Walkをのんびりと進み、はや終盤です。深い峡谷を跨ぐように架けられたロープウェイが目に入りました。カトゥーンバのシーニック・ワールド(Scenic World)という自然系アトラクション施設が運営するスカイウェイ(Skeway)です。

シーニック・ワールドのスカイウェイ。のんびりと空中散歩を楽しめそうですね。

スカイウェイが見えればコースはほぼ終了です。まだ時間に余裕があったので、Katoomba Falls(カトゥーンバ滝)を見に峡谷を下ってみることにしました。滝は何層にもわたって水を落としています。下の写真はそれを上から撮ったものです。さらに頑張って下り、滝の下に着きました。次の写真はそこから撮ったものです。崖の上の景色もいいですが、峡谷の下の眺めも素晴らしいものでした。

Katoomba Falls(カトゥーンバ滝)を上から撮りました。
Katoomba Fallsの基部から撮りました。上の写真の一番下の段が写っています(多分)。

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