世界一周2回目後半 no.6 – ニュージーランドのマウント・クック山麓、レッド・ターンズを歩く【2026年3月13日】

レッド・ターンズから見上げる稜線 ニュージーランド
レッド・ターンズから見上げる稜線

アオラキ/マウント・クック

ニュージーランドの最高峰はご存じマウント・クック(Mt. Cook)です。今回数十年ぶ振りに訪れて(私の最初の海外がニュージーランドのMt. Cook登攀でした。1984年のことです)、名前が微妙に変わっていました。かつてのMt. CookからAoraki/Mt. Cookにです。経緯を調べてみました。

想像のとおり、名称の変更は先住民との和解の結果でした。1998年、政府とマオリ部族の和解によりマオリ名である「Aoraki」が正式に復権され、英語名と併記する形になったものです。もともとの名前であったAoraki(アオラキ)はマオリ語で「雲を突き抜ける山」との意味、彼らの神話では祖先そのもの(神聖な存在)でした。

長らく呼ばれていた名であるMt. Cookはもちろんイギリス人の探検家ジェームズ・クック(James Cook)に因んだ名称です(ただしクック本人はこの山を見ていないとのこと)。マオリの主要部族は長年にわたり様々な権利の回復を主張しており、1998年の歴史的和解によって土地や資源の補償、文化的権利の回復、さらには地名の見直しが行われました。

その一環として、Mt. Cookの名称は元々の名称であるAorakiを慣れ親しんだ名であるMt. Cookに冠し、Aoraki/Mt. Cookと変更されたわけです(一連の投稿記事では山の名前を「アオラキ/マウント・クック」と表記し、麓の集落の名前は混同を避けるため「マウント・クック・ビレッジ」と表記することにします)。植民地あるあるの話ですが、カナダでも先住民との和解がなされており(以下の投稿記事を参照してください)、こうした動きが現に起きることは望ましいことなのだと思います。

偶然か否かはさておき、カナダもニュージーランドもイギリスの植民地でした。一方でスペインの植民地であったアルゼンチンでの先住民との和解や土地問題の解決は進展しておらず、対照的ともいえる状態にあります(以下の投稿記事でこうした歴史について若干触れています。興味があれば参照してください)。民族性によるものなのかは解りませんが、何ともいえない気分にさせられます。

トレッキングコース、レッド・ターンズ

今日(2026年3月13日)はマウント・クック・ビレッジに到着しての翌日、フル行動できる初日です。ただ、雲行きが怪しく、天気予報ではほぼ確実に雨が予想されます。雨は午後の後半には止むとの予報、無理せず宿でのんびりすることにします。ハカ・ハウス・アオラキ/マウント・クック(Haka House Aoraki Mt. Cook)は他のハカ・ハウスの例に漏れず公共スペースが充実しており、快適に時間が潰せました。

実際に結構な雨となりましたが(出かけないで良かった…)、夕刻近くになって雨は上がりました。ということで近場のトレッキングコースに行ってみることにしました。レッド・ターンズ(Red Tarns)と呼ばれるコースで往復2時間強、その割には景色がいいとのことです。

宿から10分ほどで登り口に到着です。
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橋を渡った後はひたすら登り、とはいっても1時間ちょっとで目的地に着きます。
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赤い池 「レッド・ターンズ」

完全に晴れたわけではありませんが、雨はもう降らないと思います。頑張って登り高度を稼ぐと彼方にアオラキ/マウント・クックが見えてきます。不思議なもので景色が見通せるようになると元気が出ます。足もなぜか軽やかになり、やがてレッド・ターンズ、すなわち赤い池に到着しました。

登る途中で仰ぐアオラキ/マウント・クックの雄姿。元気が出ます。
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到着したレッド・ターンズです。赤い水草で池は本当に赤く見えます。
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そこはかとなく涸沢を感じさせる稜線

レッド・ターンズから仰ぎ見れば連なる稜線が見えます。本投稿記事のトップ写真を見てください。私は何となく穂高連峰の涸沢を思い出してしまいました。標高はこちらの方が遥かに低いのですが、緯度は高い。それらが相殺して植生の雰囲気が似ているのかもしれませんね。

赤い池付近から見上げる稜線です。トップ写真とは別方向を撮りました。
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出発した時刻は夕刻、山では夜は駆け足でやって来ます。名残惜しいですが、暗くならないうちに戻ります。登りは苦手ですが下りは早い。明るいうちに宿に着くことができました。

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