本投稿記事では見ることで気分を害する写真が出てきます。耐性の低い方は注意してください。
動物愛護国ニュージーランド
前回の投稿記事でも書きましたが、ニュージーランドはかなりの動物愛護国です。1999年に制定されたAnimal Welfare Act( 動物福祉法(と訳されることが多いです))では、「動物は苦痛から守られるべき存在である」という価値観を法律として明確に示した点に特徴があります。ペットだけでなく、羊や牛などの家畜も同じ枠組みで扱われ、理念的には非常に先進的なアプローチを採用している国なのです。

さらに2015年には法改正が行われ、動物の「感受性(sentience)」が正式に認められたほか、制度面では大きく進展しました。一方で、運用面では課題も多く、理念と現場のギャップが問題視されていることも事実です。畜産業が国の主要産業であるため、家畜の扱いに関する規制は経済との摩擦が大きく、監視体制が追いつかず実効性に対する問題が指摘されています。
以上のような状況であっても、ニュージーランドが動物福祉の向上に向けて継続的に取り組んでいることは確かでしょう。理念と実務の間に課題は残るものの、動物の感受性を法的に認め、家畜を含む幅広い動物を保護対象とする姿勢は国際的にも先進的といえます。
路上で車に轢かれる野生動物
このような動物愛護の精神に富んだニュージーランドなのですが、自動車を運転していると車に轢かれた小動物の死骸を目にします。かなりの頻度で目にするので、ニュージーランド全体では相当数の動物、それも野生動物がこのような被害にあっていると考えられます。

ニュージーランドの通常の道路の制限速度は時速100km です。特に夜間にこのスピードで走っていれば、光に惹かれて動物が道路に飛び出した場合にこれを避けることはできないでしょう。逆に避けようとすれば、それはドライバーにとっては大変危険な行為となってしまいます。
自然が豊かで、野生生物が多く生息していることの裏返しともいえる現状ですが、解決は容易ではないのでしょう。
一応対策は取られているが
それなりの対策は講じられています。野生動物出没エリアに警告標識をだしたり、夜間・繁殖期などへの注意喚起も行っています。特にシカ・家畜など大型動物対策としては道路沿いに動物侵入防止フェンスを設置したりもしています。道路は小動物や両生類・鳥などが通れるように排水路を兼ねた地下通路構造も試されています(私のドライブ中には見ませんでしたが)。
これら以外にも、どこでロードキルが多いかデータ収集を行いホットスポットを特定して対策を集中させるとか、ドライバー教育の実施だとかも行われています。しかしながら大きな効果を挙げているとは言い難い状況にあるようです。
私がニュージーランドを車で走った実感からも、現実的な解決策はかなり難しいと感じます。制限速度の引き下げは数少ない有効な手段と思いますが、これは国土が広く人口の少ないニュージーランドでの実質的な移動制限になりかねません。経済を含む人間活動へのこのような制約は実現困難です。
現実的な解決は困難
色々と書いてきましたが、現実的な解決策はかなり苦しいというのが現在の状況です。動物大国であり、自然が豊かで野生動物が豊富に存在するからこそ問題が生じているわけです。皮肉な状況といえるかもしれません。
このような状況に対して私自身、解決に向けた考えなど及びもつきません。制限速度の引き下げが難しいことも理解できます。上の写真で示したような死骸を目にすれば「安らかに成仏して」と祈るだけです(決して仏教徒ではありませんが、日本人的な感性のなせる業でしょう)。
以上、結論のない話に終始しましたが、野生、飼育を問わず動物が多いニュージーランドだからこそ感じたことです。このような現実を心に刻むことが今の私にできることなのだと思いました。



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