ユーロシティでブダペストへ
ウィーン国際空港には朝の到着です。今日(2025年7月1日)はこのままハンガリーのブダペスト(Budapest)まで列車で移動します。ウィーン中央駅発12:42のユーロシティ(Euro City: EC)と呼ばれる国際特急列車です。切符はオーストリア連邦鉄道(Österreichische Bundesbahnen: ÖBB)のwebサイトからクレジット決済で購入しました。日本にいるときです。ÖBBのサイトはサクサク動き、クレジット決済も問題なくできました。
購入した切符は、ウィーン中央駅からブダペスト東駅(Budapest-Keleti)までです。ÖBBのサイトで検索すると、ユーロシティとレイルジェット(Railjet: RJX)と呼ばれる二つの系列の列車が表示されます。所要時間はどちらも3時間ほどで大差ありません。価格は時期によって大きく変動するのですが、私がチェックした時にはユーロシティの方がレイルジェットよりもかなりお安い価格で表示されていました。セコい私にはユーロシティ一択でした。
切符はpdfファイルで送られてきます。それをダウンロードしてスマホで表示できるようにしておきます。ÖBBのスマホアプリをインストールし、そのアプリからも購入した切符を呼び出すこともできます。私は念のため、両方の対応をしておきました。
遅れに遅れた発車時刻
定刻の30分ほど前、12時頃にはウィーン中央駅に着き、自分の乗る列車の状況を確認します。下の電光表示板の写真を見てください。真ん中の列の下から二番目です。EC145が私の乗る予定の列車です。この段階で出発時刻は13:12と表示されていますね。要は、定刻から30分の遅延です。

まあ仕方ないかと思いつつ表示された10番ホームに向かいます。ホームは10C-Eと表示されているのですが、C-Eは10番ホームの中の列車の停まる位置を示しています。ホームは列車よりも相当に長く、停まるのがホームの中ほどなのか、前後の端なのか、そんなことがこの表示からわかるわけです。
待てど暮らせど列車は来ません。10番ホームにも列車名と発車時刻の表示板があるのですが、表示時刻は変更され続けます。ふっと気づいてメールをチェックします。発車時刻変更のメールが積み重なるように入っていました。こりゃ参った。正直な感想です。しかし、待つしかありません。最終的には約二時間の遅れで、14:30頃に列車は出発しました。

突然の停車と運行終了
やれやれと思いつつ、自分の指定席に落ち着きます。車内は新しくはありませんが、決して汚くはありません。そこそこ快適に過ごせそうです。ウィーンを出るとほどなくして列車はオーストリアからハンガリーに入ります。特筆するような景色の変化はなく、車窓には畑や平原が続きます。

車内アナウンスに聞き耳を立てているのですが、英語のアナウンスはありません。ドイツ語でもなく(そもそもドイツ語はわかりませんが)、おそらくハンガリー語なのかなと思います。とある駅で列車が止まり、以降動きません。そのうち発車するのかと思っていると、乗客たちは降りだします。英語のアナウンスはなく、焦ります。周りの人に聞きまくると、列車の運行はここで終了し、ブダペストまではバスに振り替えになるとのこと。私も荷物を担いで、あわてて降ります。

駅から出るとバスが数台待っており、そのうちの一台に乗り込みます。そこそこの人数が乗り次第、バスは順次発車していきます。ブダペストに向かうようなので、まずは良かったと思うことにします。隣に座ったアメリカ人に運行終了の理由を聞くと、「故障なんじゃないの、多分」とのこと。
Google Mapで現在位置を確認しつつ、目的地であったブダペスト東駅まで連れて行ってくれることを願いましたが、それは叶いませんでした。ブダペスト郊外のターミナル駅付近で全員が降ろされました。地下鉄を乗り継いで目的地まで行けそうです。気を取り直して、地下鉄の駅に向かいました。

切符売り場に係員らしき人がいたので、ブダペスト東駅までの切符を見せつつ、これで地下鉄にも乗せてくれと交渉しました。係員は同情を示しつつも、会社が異なり無理とのこと。ダメ元での交渉だったのですぐに諦め、切符を買います。券売機でクレジットカードが使えたことが不幸中の幸いでした。
何とかブダペスト東駅にたどり着く
無事、ブダペスト東駅に地下鉄で到着、やれやれです。到着時間は想定よりも大幅に遅れましたが、明るいうちに着くことができました(そもそも、午後の8時くらいまでは十分に明るいので)。初めてのブダペストですが(もちろんハンガリーも、です)、いかにもというヨーロッパの街並みです。

ブダペストでの宿は東駅から歩いて10分弱、スター・シティ・ホテル(Star City Hotel)です。駅からの道はわかり易く、迷うことはありません。無事にチェックインができました。新しくはありませんが、部屋は快適そうです。色々ありましたが、まずは宿に入れて良かったです。

モールはどこの都市も似てくるもの
一休みしてから、近くのモールに食料の買い出しに行きます。歩いて15分位の場所そこそこの規模のモールがあり、中にはスーパーマーケットがあるようです(Google Mapによれば)。早速出かけます。想定通りのモールでした。全世界どこでも、大きな都市にあるモールは皆似たような雰囲気ですね。入っているテナントも同様です。面白味はなくなるのですが、逆に安心感は増し、つい頼ってしまいます。

買い物も終わり宿への帰途、街は黄昏時となります。駅周辺の街歩きに不安はなく、のんびりと宿に戻りました。

レイルジェットとユーロシティ
気になったのでレイルジェットとユーロシティについて少しだけ調べてみました。ユーロシティはその名の通りヨーロッパの国を跨いだ都市間を結ぶ特急列車です。運行は各国の主要な鉄道会社によって担われています。多くの場合、それは各国の国鉄ということになります。それがオーストリアであればオーストリア連邦鉄道(ÖBB)であり、ハンガリーであればハンガリー国鉄(Magyar Államvasutak: MÁV)です。
やがて、ヨーロッパの主要各国は高速鉄道の運行を開始します。フランスであればTGVやタリス(Thalys)であり、ドイツであればICE(Intercity-Express)となります。もちろん、これらの高速鉄道は国を跨いで走りますが、従来のユーロシティとは別系統の列車として運行されているのです。レイルジェットはÖBBが運行する高速鉄道であり、ユーロシティは別系統の列車として運行されています。
高速鉄道の方が新しく導入されたわけですから、当然のことですが車両も新しく速度も速いわけです。このため、一般的にはユーロシティよりも高速鉄道の方が上位に位置付けられます。以上を踏まえてウィーン・ブダペスト間を走る両列車の違いをまとめ、図表1に示します。
| レイルジェット(RJX) | ユーロシティ(EC) | |
| 運行会社 | オーストリア連邦鉄道(ÖBB) | オーストリア連邦鉄道(ÖBB) / ハンガリー国鉄(MÁV) |
| 所要時間 | 2時間30分程度 | RJXより若干長め |
| 車両 | 新型車両 | 古い車両の場合も |
| 特徴 | 静かで快適、Wi-Fi完備の場合も | 古き良き国際列車の雰囲気 |
私が乗ったユーロシティはハンガリー国鉄による運行でした。トホホの目にあったのは偶然の産物で運が悪かったのだと思います(まあ、これも旅の産物ですね)。とはいっても、もしレイルジェットに乗っていたらどうだったのか。まあ、これは言ってもい詮無いことですね。

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