帰りはハリファックス空港から
ハリファックスへの往路はカナダ国鉄の列車だったため、直接市街に入れました。モントリオールへの復路は飛行機利用です。さすがに飛行機は速くて安くて便利、でもその分風情がありません。ハリファックスの空港は市街からはそこそこの距離があり、バス以外の公共交通はありません。ということでバスを使います。
市中心部から空港まではAirport Expressと呼ばれる直行バス(とはいっても、途中幾つかの停留所には止まります)が運行しています。これが便利、私はこのバスを利用しました。予約は必要なかった(というか取るシステムになっていない)ので、念のため若干早めにバス停に行きます。宿からは15~20分程度の歩きです。付近にある券売機で切符を買い、混むことはなくスムーズに乗車できました。

サン=ピエール島の話
空港で飛行機を待っていると、ANAの機体があります。えっ、と思い見直すと色調は同じですが、デザインは微妙に違います。遠目だったので、思わず勘違いするところでした。気になったので直ぐに調べます(こんな時、webは便利ですね)。この飛行機の運航会社はAir Saint-Pierre(エール・サン=ピエール)というフランス系の地域航空会社でした。

フランス系の地域航空会社? 何でそれがハリファックスに? と疑問が広がりました。そこでもう一調べです。Saint-Pierre(サン=ピエール島)とカナダ東部を結ぶ唯一の航空会社でした。そしてカナダ東部沿岸に位置するサン=ピエール島はなんとフランス領。これは知りませんでした。以下の投稿記事でも記した七年戦争で北米のフランス植民地はイギリス領になったのですが、この島だけはフランス領として残りました。
それが現在まで存続しているのは、住民が強くそう望んだからということです。現在ではフランスの海外準県(Collectivité d’outre-mer)という扱いで、本国からは相当に手厚い保護を受けています。それはフランスにとってこの島がフランス領として残る政策的価値が大きいからに他なりません。日本の離島政策のあり方を、思わず考えさせられてしまいました。
長かったカナダともお別れ
話が随分と逸れてしまいましたが、いよいよハリファックスとさよならです。世界一周航空券とは別に取ったエア・カナダの国内線(もちろんエコノミー)で、まずはモントリオールに向かいます。

無事にモントリオールに到着、次はウィーン行きの国際線に乗り継ぎます。乗り継ぎ時間は約6時間。ちょっと長いのですが、短くて焦るような事態は避けたかったことから、十分に余裕のあるハリファックス発モントリオール行きの国内便を取りました。
ウィーン行きは世界一周航空券の利用えすからビジネスクラスです。航空会社のラウンジが使えます。すると空港での待ち時間はあまり気にならなくなります(そもそも急ぐ旅ではないことが前提ですが)。こんな点も便選択の大きな要因になります。まさに、ビジネスクラス様様ですね。
一路ウィーンへ
ウィーン行きの便はオーストラリア航空の運行です。ヨーロッパ域内の移動にオーストリア航空を使ったことはありますが(もちろんエコノミークラスでした)、国際線は初めてです。キャビンアテンダントの制服の赤も含め、とにかく鮮烈な赤というのがオーストリア航空に対する私の記憶です。時間となり搭乗します。私の席は最前列の右端、座席の広さはビジネスクラスとしては標準的、造りも含めて可もなく不可もない、そんな印象です。

席について離陸を待っていると、真っ赤な制服のキャビンアテンダントから日本語で話しかけられました。「まさかモントリオール・ウィーン便に日本人が搭乗しているといは思わなかった」とは彼女の弁。事前の乗客名簿で私の名前を見て、日本人と思ったそうです。私もまさか、この便に日本人のキャビンアテンダントが乗務しているとは思いませんでした。
飛行機はやがて離陸しました。長かったカナダの旅が終わるのかと思うと感慨もひとしおです。飛行機が高度を上げると、モントリオールの街が一望できます。その景色を見て、私はモントリオールを水の街と感じました。実際、モントリオールはセントローレンス川(St. Lawrence River)に囲まれたモンレアル島(Île de Montréal)に広がる都市です。もっとも、モントリオールが「水の街」的にいわれることは、ついぞありません。

搭乗便はモントリオールを夕刻出発の夜行便です。ヨーロッパ上空に差し掛かる頃には夜が明けています。ちょうど目が覚めたころ、オランダの大西洋岸の上空を飛んでいました。上空から見ると、干拓により切り開いた土地とそれらを堤防で繋いでいることがはっきりと見てとれます。

ウィーン国際空港からウィーン市街へ
無事にウィーン国際空港に着陸しました。2025年7月1日の朝です。今日はこのまま列車にてハンガリーのブダペストに向かいます。そのために、まずはウィーン中央駅(Vienna Central Station)を目指します。
鉄道網が整備されており、空港から市街へは列車が便利です。列車にも選択肢が二つあります。一つはCAT(City Airport Train)と呼ばれる空港市街直結の列車です。下の写真の緑色の案内板が空港内に数多く設置されているので、迷うことはないでしょう。ただ、料金が高い。15EUR程度はするはずです。速くて快適とは思いますが、私は利用したことがありません。

もう一つの手段が普通電車の利用です。S-Bahnと呼ばれ、オーストリア国鉄が運営している通常の鉄道です。私はいつもこれを使っており、今回はシニア割引で確か3.6EURであったと記憶しています。S-Bahnも十分に快適であり、30分程度でウィーン中央駅に着きます。さあ、ウィーンです。



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