寝台席(Berth)に乗ってバンクーバーへ
五泊したジャスパーを離れ、バンクーバーに戻ります。もちろんカナダ国鉄(VIA Rail Canada)の列車利用、鉄道の旅です。往路は通常のシートしか予約できませんでしたが、復路の今回は寝台シートの予約ができました。Berthと呼ばれるクラスです。シートの種別や予約の概要は以下の投稿記事で触れていますので、よければ参照してください。
実際に乗り込んで、自分の予約したシートに着席します。以下の写真がそのシートなのですが、写っているシートの向い合せで一区画となります。幅広の座面ですが、片側で一人の使用となるのでかなり余裕があります(二人掛けも十分に可能です)。就寝時にはこの一区画で上下二段の寝台へとレイアウトが変更されます。個室っぽく見えるかもしれませんがオープン席で、通路を挟んだ両側に各区画が配置されています。

私の対面席に相席となったのはカナダ人の老夫妻カップルの奥様でした。ご主人は後ろの区画です(ご主人も相席になってしまっているのですね)。さらに、ご主人の相席となった方は三人組の一人で、他の二人はその隣の区画の席を占めていました。結果として、奥様は常にご主人の区画に居続け、私はその区画で一人という状態が殆どでした。ご主人の相席となった三人組の一人は元の席にいたり、隣の仲間の区画の席に移動したりしていました。
老婦人との相席状態は大変に気詰まりでした。ご婦人がほぼ後ろの御主人の席の隣に座ってくれていたので、正直にいえば助かりました(ご婦人にとってもそうだったのでしょう)。次にカナダ国鉄の長距離便利用が移動の選択肢にのぼった場合、私が二人組での旅行で、かつ、二人同じ区画を予約できるならば、再度このBerth席を利用したいとは思います。しかし一人であったなら、往路の通常のシートを選びます。
食堂車を利用する
列車は2025年6月21日9時30分、定刻にジャスパーを発車しました。この列車のジャスパー・バンクーバー間では、昼食及び夕食が食堂車で供されます。食堂車のキャパと乗客の数の関係からか、食事は三つの時間帯に分かれており、好きな時間帯を予約する必要があります。三つの時間帯は開始時刻で12:00、13:30、15:00であったと思います(不正確の可能性あり)。
一番人気は12時開始の時間帯です。ジャスパー始発ではないため、この時間帯は既乗車の乗客によって占められてしまっています。夕食の時間帯も三段階、18:00、19:30、21:00に分かれており(やはり不正確の可能性)、昼食時に予約することからいい時間帯は先に昼食を取った乗客から予約されていきます。私は昼食を15:00、夕食を21:00で予約しました(この時間帯なら空いているかな、といった期待も若干ありました)。
時間になったので食堂車に向かいます。車内アナウンスもされ、また車掌が巡回し注意喚起もしてくれます。食堂車は満席ではありませんでした。しかし、強制的に相席にされます。まあ、仕方がないですね。相席では、同席となった人との会話が弾むか否かで快適さが変わります。今回は空いても一人であったことから、それなりに楽しい会話ができました。
昼食は一皿を幾つかの選択肢から選びます。私は脂っこい炭水化物系(ラザニアとか…)を避け、サーモンサラダを選びました。結構ボリューミーではありましたが、美味しく完食できました。この一皿に加え、パン、飲み物とデザートが付きます。食堂車の雰囲気も味わえ、満足のいく昼食でした。

夕食時もアナウンスや所掌の声掛けが同様にあります。昼食との違いは、前菜、主菜、デザートという構成になることでしょうか。やはりボリューミーではありましたが、美味しかったです。相席は50歳くらいの夫婦とやはり50歳くらいのビジネスマン風の男性一人でした(テーブルは四人掛けです)。なんとか会話にもついていけ、気詰まりというよな事態にはなりませんでした(英語ネイティブである彼ら間の会話では、フォローしきれない部分もそこそこありましたが…)。

こうした形式の旅行で快適な時間を持つためには、もっともっと英会話力が必要だと、改めて感じさせられた経験でした。
車窓と展望車
車窓は、もちろん素晴らしい景色を見せてくらます。とはいっても、基本は往路と同じです。強いていえば、明るい時間に走る場所が往路と復路ではずれることから、見える景色は違うはずです。しかし、私に認識できる差ではありませんでした。
気づいた点は、貨物列車とのすれ違いが多いことです。乗客を乗せている列車とのすれ違いはあったかもしれませんが記憶に残っていません。一方で貨物列車とは五~六回はあったような気がします。路線は貨物輸送の動脈でもあるのだなあと感じました。コンテナを二段重ねに積む姿も散見され、線路やインフラの耐荷重許容度や電化路線の普及具合といった諸条件が日本とは大きく異なっていると感じました。

展望車にも試しに行ってみました。展望車はなかなかに居心地が良いみたいで、一旦座った人々は長く居続けます。私も何回かトライしてやっと空いている席を見つけました。ただ一人で座っていても、直ぐに飽きてしまいました。私にとっては話のタネでしょうか。

寝台車へのシート・アレンジ
9時からの夕食の時間を終えて自分のシートに戻ってくると、席は寝台へと変更されていました。私は下段を予約の段階で指定していたので、もちろん下段で寝ます。二段ベッドで広さは十分、高さも問題なしで、快適に寝ることができました。

日を跨いだ6月22日の早朝6時前に往路出発したバンクーバーのパシフィック・セントラル駅に到着しました。予定時刻の8時よりは相当に早い到着です。8時までは車内にいてもいいよとのアナウンスが流されました。あまり早く市内に出ても次の予定に困るので、ありがたく8時までは車内に留まらせてもらいました。私と同じような考えの人も多々いるようで、乗客は8時にかけて三々五々に降りていきました。




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