振り返ったら、そこに熊が
ジャスパー二日目、Pyramid Lakeからの帰路でのことです。往路と同じ径は通りたくなかったのでので、少しだけマイナーな径を選びました。マイナーな径であるが故に人と会うこともなく、ジャスパーの中心部を目指し、一人でセコセコと歩いていた時のことです。
トレースを見失い道に迷ったかなと思ったところで、後ろの方からガサッと音がしました。鳥かなあと思いふと振り返ったら、そこには熊がいたのです。距離にして5~10メートル程度離れていたでしょうか。体はそう大きくはなく中型若しくは小型(といっても大きいですよ、とても子熊という感じではなかったです)、色はそれほど濃くはない茶色、若しくは黄土色といった色合いでした。四肢の先端部や顔の付近はやや濃い色、こげ茶か黒のようでした。
ヤバい、感じた本当の恐怖
こう書いていると何やら冷静だったように思われるかもしれませんが、それは後から振り返って書いているから。その時はかなり焦っていました。さらに、その熊の後方で草が動いていたので、もう一匹、子熊がいるのではと感じました。これはかなりヤバいのでは、瞬間的にそう思いました。何故って、子供を連れた熊は子供を守るために攻撃的になる、とどこかで読んだことがあるからです。
スマホを取り出して写真を撮ろうかな、一瞬そう思いました。が、直ぐにその考えを振り払いました。余計なことをして遭遇時間を長引かせると、襲われるリスクが上がると思ったからです(後から振り返っても、焦っていた中では冷静な判断をしたと思います)。こんな場所で襲われ、怪我でもしたら如何ともし難い、瞬時にそう考えました。
そのまま熊を見つめながら(とはいっても目を合わせていたわけではないんです、ただ熊の全体像を視界に収めていたという感覚でした)ゆっくりと後退し、やや距離が開いたところで向きを変え、走りはしないものの足早にその場を去りました。自然の中で、本当の野生生物、 それも相応の大きさの動物との遭遇は結構な恐怖です。無事に帰れたからこそ貴重ね経験と思いますが、避けられるならば避けたいというのが正直な気持ちです。
出会ったのは「黒熊」だった
宿に戻ったところで、出会った熊の種別が気になりました。ChatGPTで調べたところ、ジャスパー 周辺で出没する熊は二種、グリズリーと呼ばれる大型の熊と黒熊と呼ばれる中小型の熊です。画像もChatGPTにお願いしたところ、以下の画像を生成してくれました。左がグリズリーで、右は黒熊です(黒熊といっても色は茶色です)。出会ったのは、まさに右の黒熊であったと思います。画像の黒熊はつぶらな瞳で可愛く見えますが、出会った時の恐怖というか焦りのフィルターを通した印象は決して可愛くなんかありませんでした。

今回の遭遇では事なきを得ましたが、これは運が良かったのでしょう。最悪を考えると、結構ヤバかったと思います。ではどうすれば良かったのか。一人でトレッキングをする以上、熊との遭遇は十分にあり得ることです。対策としては熊よけスプレーの携帯ぐらいしか思いつきません。かといって荷物にもなり、できれば持っていきたくはありません。今後に向けての要検討課題ですね(問題先送りか…)。


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