世界一周 no.29 – ハリファックスからモントリオール経由でウィーンへ 【2025年6月30-7月1日】

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帰りはハリファックス空港から

ハリファックスへの往路はカナダ国鉄の列車だったため、直接市街に入れました。モントリオールへの復路は飛行機利用です。さすがに飛行機は速くて安くて便利、でもその分風情がありません。ハリファックスの空港は市街からはそこそこの距離があり、バス以外の公共交通はありません。ということでバスを使います。

市中心部から空港まではAirport Expressと呼ばれる直行バス(とはいっても、途中幾つかの停留所には止まります)が運行しています。これが便利、私はこのバスを利用しました。予約は必要なかった(というか取るシステムになっていない)ので、念のため若干早めにバス停に行きます。宿からは15~20分程度の歩きです。付近にある券売機で切符を買い、混むことはなくスムーズに乗車できました。

Airport Expressのバス。Bay4との標識が乗り場、始発です。
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サン=ピエール島の話

空港で飛行機を待っていると、ANAの機体があります。えっ、と思い見直すと色調は同じですが、デザインは微妙に違います。遠目だったので、思わず勘違いするところでした。気になったので直ぐに調べます(こんな時、webは便利ですね)。この飛行機の運航会社はAir Saint-Pierre(エール・サン=ピエール)というフランス系の地域航空会社でした。

日本人の私から見れば、ANAカラーで塗装されたAir Saint-Pierreの小型機です。
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フランス系の地域航空会社? 何でそれがハリファックスに? と疑問が広がりました。そこで、Air Saint-Pierreについてもう一調べです。すると、Saint-Pierre(サン=ピエール島)とカナダ東部を結ぶ唯一の航空会社ということがわかりました。ではサン=ピエール島とは? なんと、カナダ東部沿岸に位置するサン=ピエール島はフランス領でした。

カナダ東部の地図上でのサン=ピエール島とハリファックスの位置関係です。殆どカナダといえる位置ですが、フランス領です。
saint-pierre
from Google Map

これは知りませんでした。疑問を調べると、すぐに次の疑問が浮かびます。サン=ピエール島が何故フランス領となっているのか、その歴史を調べます。以下の投稿記事でも記した七年戦争で北米のフランス植民地はイギリス領になったのですが、この島だけはフランス領として残りました。それは当時、フランスが北米漁場でタラ漁を維持する上でこの島が重要な漁業基地だったたからです。特例的にフランス領として保持することが認められたわけです。

フランス領であり続けた理由

その後、その帰属は何度かイギリス・フランス間を行き来しましたが、1816年にフランス領に復帰して以降は、フランスの唯一の北米領 として現在に至っています。本国から遠く離れ、至近距離にはカナダという住みやすい国がある。にもかかわらず、島がカナダへの編入を住民の意思として強く求めるいことは、1816年以降ほぼありませんでした。むしろフランス領であり続けることを住民は強く望み続けました。

現在ではフランスの海外準県(Collectivité d’outre-mer)という扱いで、本国からは相当に手厚い保護を受けています。この結果、フランス本国と同様の高い社会福祉制度が適用されます。公務員はフランス国家公務員としての待遇です。医療費はフランス基準、社会手当もフランス水準で享受できます。

住民はフランス系で、文化的帰属はフランスでしょう。こうしたアイデンティティに関わることはフランスに留まる大きな要因と思いますが、経済的な側面も大きな要因と思います。住民にとって、至近とはいえカナダは外国になります。往来は、簡略化されているとはいえパスポートコントロールを通過します。その不便があってなお、フランス領に留まるだけの庇護がフランス本国から与えられているわけです。

では何故フランスはこのような庇護を与えているのか。領土があれば領海が存在します。排他的経済水域もそうです。現代にあっても、付近の漁場の経済的価値は高いのです。加えて海外領土は、国家の威信に係る象徴的意味も大きいのでしょう。要はフランスにとって、この島がフランス領として残る経済的及び政策的価値が大きいのです。従って住民に対しても、そこでの居住が問題ないよう、制度的手当てがなされているわけです。

Saint-Pierre(サン=ピエール島)の港に停泊する漁船(多分)ですね。
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from Google Map

このような事実に行きつくと、日本の離島政策を思わずにはいられません。離島の存在は、日本にとても大きな排他的経済水域をもたらしてくれます。無人島でもいいのですが、人が住み経済活動を行っている島の存在は、海洋権益を国際場裏で主張する上でとても重要です。そこに住む人々が、住み続けたいと思う政策的な手当てが十分になされているのか。少しだけ気になりました。

長かったカナダともお別れ

話が随分と逸れてしまいましたが、いよいよハリファックスとさよならです。世界一周航空券とは別に取ったエア・カナダの国内線(もちろんエコノミー)で、まずはモントリオールに向かいます。

上昇する飛行機の窓からハリファックス市街を見渡します。高層ビルが結構あったんですね。
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無事にモントリオールに到着、次はウィーン行きの国際線に乗り継ぎます。乗り継ぎ時間は約6時間。ちょっと長いのですが、短くて焦るような事態は避けたかったことから、十分に余裕のあるハリファックス発モントリオール行きの国内便を取りました。

ウィーン行きは世界一周航空券の利用えすからビジネスクラスです。航空会社のラウンジが使えます。すると空港での待ち時間はあまり気にならなくなります(そもそも急ぐ旅ではないことが前提ですが)。こんな点も便選択の大きな要因になります。まさに、ビジネスクラス様様ですね。

一路ウィーンへ

ウィーン行きの便はオーストラリア航空の運行です。ヨーロッパ域内の移動にオーストリア航空を使ったことはありますが(もちろんエコノミークラスでした)、国際線は初めてです。キャビンアテンダントの制服の赤も含め、とにかく鮮烈な赤というのがオーストリア航空に対する私の記憶です。時間となり搭乗します。私の席は最前列の右端、座席の広さはビジネスクラスとしては標準的、造りも含めて可もなく不可もない、そんな印象です。

オーストリア航空のビジネスクラスのシートです。スクリーンに映った私の服装がワンパターンであることには目をつむってください。
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席について離陸を待っていると、真っ赤な制服のキャビンアテンダントから日本語で話しかけられました。「まさかモントリオール・ウィーン便に日本人が搭乗しているといは思わなかった」とは彼女の弁。事前の乗客名簿で私の名前を見て、日本人と思ったそうです。私もまさか、この便に日本人のキャビンアテンダントが乗務しているとは思いませんでした。

飛行機はやがて離陸しました。長かったカナダの旅が終わるのかと思うと感慨もひとしおです。飛行機が高度を上げると、モントリオールの街が一望できます。その景色を見て、私はモントリオールを水の街と感じました。実際、モントリオールはセントローレンス川(St. Lawrence River)に囲まれたモンレアル島(Île de Montréal)に広がる都市です。もっとも、モントリオールが「水の街」的にいわれることは、ついぞありません。

沈む夕陽を受けて輝くセントローレンス川にモントリオールは囲まれています。
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搭乗便はモントリオールを夕刻出発の夜行便です。ヨーロッパ上空に差し掛かる頃には夜が明けています。ちょうど目が覚めたころ、オランダの大西洋岸の上空を飛んでいました。上空から見ると、干拓により切り開いた土地とそれらを堤防で繋いでいることがはっきりと見てとれます。

オランダの海岸線の上空から撮った写真です。干拓地と堤防がきれいに写っています。
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ウィーン国際空港からウィーン市街へ

無事にウィーン国際空港に着陸しました。2025年7月1日の朝です。今日はこのまま列車にてハンガリーのブダペストに向かいます。そのために、まずはウィーン中央駅(Vienna Central Station)を目指します。

鉄道網が整備されており、空港から市街へは列車が便利です。列車にも選択肢が二つあります。一つはCAT(City Airport Train)と呼ばれる空港市街直結の列車です。下の写真の緑色の案内板が空港内に数多く設置されているので、迷うことはないでしょう。ただ、料金が高い。15EUR程度はするはずです。速くて快適とは思いますが、私は利用したことがありません。

CAT(City Airport Train)です。この明るいグリーンの案内板は目につきやすいので、乗ろうと思って迷うことはないでしょう。
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City Airport Train Home Page

もう一つの手段が普通電車の利用です。S-Bahnと呼ばれ、オーストリア国鉄が運営している通常の鉄道です。私はいつもこれを使っており、今回はシニア割引で確か3.6EURであったと記憶しています。S-Bahnも十分に快適であり、30分程度でウィーン中央駅に着きます。さあ、ウィーンです。

私はS7路線の普通列車でウィーン入りをしました。この列車も十分に快適で、時間もそれほどかかりません。
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やってきました、ヨーロッパ。ウィーン中央駅の入口です。
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